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平成28年9月13日の秋田市議会での一般質問で、市当局は本年度内の意思疎通を支援する条例の制定を目指す方針を明らかにしました。手話や点字などの普及啓発を推進し、「分け隔てない共生社会を目指す」としています。
一般質問されたのは武内伸文議員(そうせい)。
武内議員は「秋田県聴覚障がい者を持つ親の会」で主催していた「子育てサロン」にも何度かお越しくださってました。
昨年12月に東京・秋葉原で開催された全日本ろうあ連盟主催の「情報アクセシビリティ・フォーラム2015」にも参加され、1月の「子育てサロン」ではその様子を報告してくださいました。4月からは「手話サークル」に入会され手話や聴覚障害についてさらに理解を深めようとされています。
武内議員から転載の許可をいただきましたので、一般質問での内容とその趣旨を広く知っていただきたいと思います。
昨日の秋田市議会9月定例会にて、「手話言語条例」の設定についての質問に対し、今年度中に条例を設定するとの答弁を頂き、本日の新聞、テレビなどのメディアにて報道されております。
これからは、関係者の意見を伺いながら、条例の中身を詰めていくことになります。以下、昨日の質問原稿になります。お時間ある時にお読みいただければ幸いです。
【一般質問原稿(抜粋)】
昨年11月、秋田県聴力障がい者福祉大会に出席したところ、休憩時間、会場席にて衝撃的な体験をしました。私以外のほとんどの参加者が手話で会話を始めたのです。まず孤独を感じ、この感覚は初めて外国に行った時の感覚に似ていると思っておりましたが、次の瞬間、会場の大多数がろう者であって、日常においては立場が逆転していると気付きました。できるだけ、ろうの方にとっても、社会参加しやすい環境づくりをしなければという思いを強くした瞬間でした。昨年より会派で主催する市民向けセミナーには必ず手話通訳をお願いしております。また全国大会でICTの活用や他自治体の取組例などを学び、今年4月より手話サークルにも入会しました。...
さて、2014年1月に国連の「障害者権利条約」が批准され、その第二条で「言語」であることが認められ、更に改正障害者基本法第二十二条第一項においては、手話が使いやすい環境整備の必要性が示されており、市民、事業者、ろう者および行政が協働して進めていくことになっています。環境づくりの上で、まずはその「手話は言語である」ということを知ってもらう必要があります。
また、ろう者とのコミュニケーションに様々なICTのツールが使われるようになりました。音声認識装置、TV電話、筆談ソフト、コミュニケーションボードなど、これらはろう者にとってだけでなく、ろう者とコミュニケーションをとりたい人々、更には、外国人とのコミュニケーションにおいても有効なツールです。
2013年に鳥取県が先陣を切った手話言語条例、現在52の自治体に広がっています。東北で初めて条例を設定した郡山市では、条例設定後の市民の関心度が高っているとお聞きしております。
1)本市は「手話が言語」であることを啓蒙するため、どのように取り組んでいるのか、また、今後の取り組みについてどのように考えているのか
2)ICTを活用したろうあ者とコミュニケーションできる環境づくりについて、今後どのように取り組んでいくのか
3)手話言語条例の設定について、どのように考えているのか
この武内議員の一般質問に答える形で、市当局から本年度内の条例制定を目指す方針が明らかにされました。
穂積志秋田市長は6月8日に開催された「全国手話言語市区長会設立総会・手話言語フォーラム」に参加されていて、条例について前向きに検討されていたのでしょう。
法人を設立した昨年に比べるとこの一年で秋田の状況は大きく動いています。
もちろん大事なのは条例の中身なので、これからも活動を通じて手話秋田を発信していきたいと思います。
(追記です。)
*平成30年4月1日より「秋田市障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」が施行されました。