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2016-12-30 19:00:00

平成28年4月14日、熊本県で大きな地震が起こり、甚大な被害が発生しました。お亡くなりになられた方にご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

日本ではこれまで何度も大きな震災を経験してきました。5年前にはあの東日本大震災がありました。震災時に、障がいのある方、とくに聴覚障がい者がどのような状況に置かれるのか、を何度も聞かされてきました。

 

(社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備)
第五条  行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。

 

障害者差別解消法では行政機関や事業者に「合理的な配慮」を求めていますが、理解なくして配慮は出来ないでしょう。聴覚障害だけに限ったことではありませんが、ひとつひとつ理解をしていただくことから始めるしかありません。

 

一方で「情報保障」という観点からすれば、災害・緊急時において「私には手話通訳が必要です。」を合理的配慮という言葉で論じていいのか、とも思えます。

 

①聴覚障がい者はテレビ番組(とくに緊急放送時)において「手話通訳や字幕」がないと必要な情報が得られません。情報の不足により適切な行動がとれなくなり対応の遅れにつながります。

 

確かに以前よりは手話通訳や字幕がついている番組も多くなりました。それでも緊急放送や生放送の全てに「手話通訳」がついているわけではありません。

 

以前、ある聾のかたが「ローカルニュースは一切見ない。何を話しているのか分からないから。」と、その方は「手話ニュース」しか見ていなくて「(手話ニュースは)全国ニュースなので地元の情報は全く知らない」とおっしゃっていました。

 

そんな中、画期的な番組がありました。NHK Eテレの『ハートネットTV』」です。

 

キャスターの山田賢治さんと久保純子さんの間後方に手話通訳者の方がいて通訳してくれています。ワイプだと画面の右下が一般的ですが、真正面で手話通訳をしてくれているのでとても見やすいです。

 

NHK ハートネットTV はこちらから

 

②避難所での放送が聞こえないため、救援物資や食料の配給などが受けられないことがあります。

 

行列を見てから初めて食料等の配給だと分かって並ぶのが遅くなり手に入らないとか、避難所等での注意の声や話しかけられていることにも気が付かず孤立することが多いそうです。

見た目では聴覚障がい者と分からず、本当に困っていることを周囲の者から理解されにくいのです。またコミュニケーションがとれないため「何に困っているか」を上手に伝えられないことも多いと聞きます。

 

また4月19日放送のNHK ハートネットTV「緊急報告・熊本地震(2)どう支える要支援者」の番組内のテロップでは「聴覚障害者への配慮」で「熊本県ろう者福祉協会」からとして

 

 「避難所に水や食糧が来たとき、どこに何がきているのか文字で掲示するなど聞こえなくてもわかる情報提供を」また「聴覚障がい者の中には教育を受けておらず文字が読めない人も 水や食糧など情報提供には絵や地図も入れて!」

 

とテロップが出ていました。この番組では聴覚障害以外にも多くの支援について紹介されていました。 

 

聴覚障がい者には音声だけでは伝わらなくて、手話や文字などの視覚情報での配慮が必要であることを理解していただければと思います。

 

 

11-15 厚労委員会.jpg

 

くまモンが被災者への慰問など活動を開始したのをニュースで見ました。みんなが笑顔になって、くまモンの存在ってあらためてすごいなーと思いました。

 

くまモンは手話をしたことがあるのかな?と思って検索してみたら、イベントとかで手話をしている動画がありました。

そこで「なかま(ともだち)」と手話をしているくまモンの頑張れ絵を描いてみました。

 

くまモンのなかよし.jpg

 

6月21日からはポストカードにして、JR羽越線新屋駅の”小さな図書館”の本棚の上にも置かせていただいています。

 

手話のご紹介②.jpg 

 遠い秋田からも応援しています。くまモン!

 

 

支援と理解をお願いするチラシを置きました.jpg

 

 

熊本地震で甚大な被害と余震が長期化していることを受けて、一般財団法人 全日本ろうあ連盟様では、「平成28年熊本地震で被害を受けた聴覚障害児・者、手話通訳者等を対象とする救援活動、対策本部・地域本部等支援活動のための支援金」の受付を開始しました。

 

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会様「平成28年熊本地震で被災された中途失聴者、難聴者、関係者への支援のための災害義援金」を募っています。

 

当センターといたしましても、微力ながら両団体の支援活動にご協力いたしたく、6月までの売上金の一部を寄付させていただくことに致しました。

 

手話バウム 熊本支援.jpg

 

合わせてバウムクーヘンの委託販売をしていただいている「メガネの玉屋・中央店様」と「秋田いっぱいのおみやげ屋さんフルゥール様」に、A4サイズのチラシを置かせていただきました。

(メガネの玉屋・中央店様の様子です。6/30まで置かせていただきました。)

 

熊本地震チラシ HP用.jpg  

 

熊本地震によって被災された「聞こえない人・聞こえにくい人」が困っていることは、この他にもまだあるでしょう。どのような支援や配慮が必要なのか、精通されている両団体の方や手話通訳者等による支援活動が必要です。すでに支援活動を開始している両団体(活動についてはそれぞれのホームページ等で公開されています。)に少しだけですが、協力させていただきました。

 

*バウムクーヘンにつきましては7月4日をもって販売を終了しました。お買い上げ・ご協力いただきましてありがとうございました。