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2016年6月8日、東京都にて「全国手話言語市区長会」の設立総会&手話言語フォーラムが開催されます。
設立趣意書にはこう書かれています。
『2013年の鳥取県、北海道石狩市を先駆けに、これまで47の自治体で手話言語条例・情報コミュニケーション条例が制定されています。
それからわずか2年間で、国に「手話言語法」の制定を求める意見書が日本国内の全1,788地方議会で採択されました。
過去に前例のないこのような動きを受けて、全国市長会、全国都道府県議会議長会からも意見書を提出しており、手話言語法制定への機運が高まっています。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたり、聴覚障害者に対する情報保障の環境整備は我が国にとっても大きな課題となっています。
国に「手話言語法」「情報・コニュニケーション法」制定を求め、全国に関連条例の制定を拡大するための取り組みを進めるとともに、各自治体における手話等に関する施策展開の情報交換を行うべく、ここに「全国手話言語市区長会」を設立することとなりました。』
この「全国手話言語市区長会」は田岡克介石狩市長が代表発起人となり、参画を呼びかけました。
5月30日現在で224市区長が会員となっていて、秋田県からは、秋田市、男鹿市、大仙市の名前があります。
なぜこのような動きが起きているのか?
それはやはり最初に「手話言語条例」を制定した鳥取県の影響が大きいと思います。鳥取県は平成25年、全国で初めて「手話言語条例」を成立させ、「手話の聖地・鳥取県」をうたっています。
鳥取県手話言語条例の第1条には目的として
(目的)
第1条「この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の普及に関し基本理念を定め、県、市町村、県民及び事業者の責務及び役割を明らかにするとともに、手話の普及のための施策の総合的かつ計画的な推進に必要な基本的事項を定め、もってろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。 」
「手話が言語であること」
「手話の普及に関し県、市町村等の責務及び役割を明らかにすること」
「共生することのできる地域社会を実現すること」
鳥取県ではこの目的を達成するために予算を組んで様々な取り組みを行っているのです。
たとえば鳥取県では「手話ハンドブック(入門編・活用編)」を作成し、小・中・高等学校の全生徒へ配ったそうです。
好評だったようで1冊100円で一般にも販売を開始しました。
「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」では、その名のとおり全国の高校から参加者を募り、新たな交流も生まれているそうです。
第3回目となる今年は9月25日の開催が決定してます。
私が役員をしている「秋田県聴覚障がい児を持つ親の会」は「全国難聴児を持つ親の会の秋田支部」ですが、今年5月の全国総会は鳥取県で開催されました。
「鳥取県で出来たのだから、自分たちも」
全国に広がりを見せた「手話言語条例(情報コミュニケーション条例含む)」は
平成25年度は1県3市町村、
平成26年度は2県12市町村、
平成27年度は3県26市町村、
と、成立している自治体を毎年増やしています。
秋田県の佐竹敬久知事も2月の県議会において「聴覚障害者を支援する一環として手話の普及啓発に向けた基本条例の制定を検討する考え」を示しました。
「全国手話言語市長会」では「各自治体における手話等に関する施策展開の情報交換等を行う」としていて、今後の動きに注目しています。